進展のなかった間、被害者家族が次々に亡くなった。今年だけでも、市川修一さん=拉致当時(23)=の父、平さん=享年(99)=ら3人が死去。北朝鮮に残る被害者も年齢を重ねており、家族は再調査での進展を強く望んでいる。
再調査に関し、田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(76)は「もしいいかげんな内容であれば、解除した制裁を再びかけるなど、対応を考えてほしい」と話し、早紀江さんは「期待しているけれど、絶対に(今回だけで)最後にしてはいけないと思っている」と全員帰国までの取り組みを求めている。
≪ずれ込む北の報告 月内危うく≫
拉致被害者の安否再調査を行う北朝鮮の特別調査委員会の報告がずれ込んでいる。日本政府は当初、1回目の報告に関し「9月第2週」を想定し、日朝の外務省局長級協議開催を目指し水面下での調整を進めてきたが、月内すら危うい状況になりつつある。再調査の内容を精査したい日本と、経済制裁の解除を要求する北朝鮮とのせめぎ合いが背景にあるようだ。