もちろん、米国株価も米投資ファンドの対日株式投資に影響する。米国株が上昇しているとき、投資ファンドの米国株保有シェアが基準値より上がるので、このときも自動売買プログラムが作動して、日本株を買う操作が行われる。しかし、最近の米株価は連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和打ち切りや利上げ懸念を受けて、一進一退の状況にある。日本株価は昨年のように、円安と米株高の二重の押し上げ要因を享受できそうにない。
しかも、今回は円安にもかかわらず、外国の投資ファンドの日本株買いの意欲は高くないようで、海外の多くの投資ファンドが資産構成に占める日本株のシェアを引き下げている可能性もある。
政府は国内最大の投資ファンドで、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式保有の比率を引き上げるといった株価底上げ策を検討している。ところが、投機的な海外の投資ファンドは、日本経済の地合いがよくないと見れば、GPIF効果で一時的に日本株が上がった瞬間をとらえて売り逃げしかねない。株価を高めに安定させるためには、やはり、持続的な経済成長を実現する財政・金融政策に徹するしかない。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)