政府は、北朝鮮側から報告を先送りしてきた理由を聞いていないため、北京の大使館ルートで引き続き連絡を取り、真意を確認する。再調査の途中経過を把握するため、日朝の外務省局長級協議の開催を働きかけることも視野に入れる。
報告が遅れた背景について、別の外務省幹部は「期待感が高まり過ぎると北朝鮮は引いてしまう。1年間かけてやろうとしているのに、1回目からそんなに結果は出せないだろう」と語り、北朝鮮が日本の世論の高まりに“二の足”を踏んでいるとの見方を示した。日朝関係筋によると、日本が再調査を最優先で求めている拉致被害者12人について、北朝鮮側が回答を渋っているのだという。
一方、拉致問題に取り組む支援組織の関係者は、再調査を通じて見返りを求めている北朝鮮が、駆け引きを仕掛けているという見方を強めている。
「水面下で北朝鮮が調査結果の一部報告の見返りに、日本の独自制裁の追加解除を求め、安倍政権がそれを拒否しているのではないかとみられる」。拉致被害者の支援組織「救う会」の西岡力(つとむ)会長はそう話す。