7月1日に開かれた日朝局長級協議に臨む、外務省の伊原純一アジア大洋州局長(左手前から3人目)、北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使(右手前から3人目)=2014年、中国・首都北京市の北朝鮮大使館(共同)【拡大】
保衛部は海外公館にも要員を派遣し、幹部らの亡命監視も担うが、相次ぐ要人失踪後、海外担当者が、朝鮮労働党や政府幹部の人事を握る党組織指導部によって平壌に召還された。保衛部内で海外工作を統括する徐大河(ソ・デハ)副部長まで責任追及に巻き込まれる事態ともなっているという。徐氏は特別調査委員長として日本人調査を取り仕切る人物だ。
利権争い表面化
政権ナンバー2だった張成沢(チャン・ソンテク)氏粛清後の利権争いの影響も指摘される。張氏処刑を実行し、日朝交渉も主導する保衛部は、対日利権を見越して外貨事業の拠点を拡大するなど、7月までは「飛ぶ鳥を落とす勢い」(日朝関係筋)とされた。