英国のヒットメーカー、リチャード・カーティス監督(57)の新作ロマンチックコメディーは、監督生活の集大成となる渾身の作品となった。いみじくもタイトルの「アバウト・タイム 愛おしい時間について」(原題『About Time』、脚本、製作総指揮も担当)が示唆するように、カーティス監督は監督業から身を引くには「いい頃合い」と判断した節がある。今後は、業界のトップランナーへと駆け上がる足場となった本業の脚本執筆に集中するという。
皮肉めいた面白み
どんな心境の変化があったのだろう。「作品のメッセージがまさに僕の引退理由なんですよ。時間を有効に使い、愛する家族と一緒に毎日を大切に過ごすことが大事-と痛切に感じました。例えば、1つの作品を完成させるために3年間も精力を傾け続けたとしたら、家族とのだんらんなど絶対にできませんからね」。カーティス監督は吐露した。