「火口まで2キロ。これ以上近づいたら危険だ。噴煙でエンジンがやられる」
パイロットの表情がこわばった。風向きが変わったのか、時折、硫黄のにおいが鼻を突いた。大量の噴煙が太陽を遮り、山頂は夜かと見まがうほどだった。山頂周辺は灰が降り積もり、雪景色のように木々も真っ白になっていた。
登山客らは山小屋に避難しているのか、人影は全くなかった。噴煙以外に動くものは何もなかった。
上空に高々と伸びる噴煙は、御嶽山から約120キロ離れた滋賀県米原市の上空からもはっきりと確認できた。しかし、山に近づいても、中腹から麓は厚い雲に覆われていたため、山容すらうかがえなかった。
御嶽山上空をヘリで旋回していたのは15分ほど。機上からは下山する登山客も見えなかった。シャッターを切りながら、あまりに異様な光景に言葉を失った。(写真報道局 甘利慈/SANKEI EXPRESS)