サイトマップ RSS

【溝への落とし物】腹の立つこと 本谷有希子 (1/4ページ)

2014.9.29 15:40

ずっと見ていたら、だんだん美しい光景に思えてきたので撮影(本谷有希子さん撮影)

ずっと見ていたら、だんだん美しい光景に思えてきたので撮影(本谷有希子さん撮影)【拡大】

  • 劇作家、小説家、演出家、本谷有希子さん(本人提供)

 DVDをエンドロールまで鑑賞し、停止すると、テレビで「知らない人のお宅の台所に突撃して、冷蔵庫を見せてもらう」というコーナーが流れていた。スーパーの出入り口で、買い物袋を掲げた気の弱そうな家族とリポーター役の若い女性タレントのあいだで押し問答が繰り返されている。

 ――本当に、ちょっとだけ、ちょっとだけお家にお邪魔させてもらえませんか?

 ――ええ、今からいきなり? 無理無理。

 ――そうですよねえ。でも奥さん、そこをなんとかお願いします!

 ――掃除してないから。散らかってるから…。

 ――そんなの全然、いいです。全然大丈夫ですから!

 ずれた反応の言いぶんはなんだ

 私はテレビを消すと、台所に行って夕食の準備を始めた。今日の献立は、久しぶりの鍋である。白菜の葉を根元から折り、水洗いし、まな板の上でざくざくと刻んでいると、さっきのリポーターの言いぶんに、なんだか納得のいっていない自分に気がついた。

「会話のずれ」というものに強い興味

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ