【国際情勢分析】
香港で続く「真の普通選挙」を求める大規模デモが、中台関係にも影響を及ぼしている。中国の習近平国家主席(61)が、香港で施行する「一国二制度」を台湾統一に適用すると言及したことで、台湾当局や与野党が反発、デモ支持が広まった。これを受けて馬英九総統(64)がデモへの支持を公言すると、今度は中国側が批判。初の首脳会談の計画も頓挫し、馬総統が「(分断後)65年来で最も安定し平和的」と評した中台関係に、とげとげしい雰囲気が漂っている。
習氏発言が触発
習氏は9月26日、台湾の野党「新党」の党首ら統一派訪中団と北京の人民大会堂で会談した。習氏は台湾独立派を強く牽制(けんせい)する一方で、「平和統一と一国二制度は台湾問題を解決する基本方針であり、統一を実現する最良の方式だ」と語った。一国二制度による台湾統一は中国政府の従来の方針だが、習氏が台湾人を前に言及するのは就任後、初めてとされる。