これに対し、中国国務院(政府)台湾事務弁公室の報道官は10日と15日の2度にわたり、「香港の政治改革について、台湾側は四の五の言うべきではない」と不快感を表明。台湾の反中デモや対中主管官庁幹部のスパイ疑惑などを受けても表面上、良好な関係を維持してきた中台の当局間関係は、元台湾当局高官が「風邪をひいた」と認めるまで冷却化する事態になった。
台湾では11月末に統一地方選を控え、当面は対中政策で大きな譲歩をする政治環境にない。中国評論通信社は13日付の社説で、2016年5月の馬総統の退任までを見通し、「両岸(中台)関係はさらに悪化する可能性もある」と警告した。(台北支局 田中靖人(SANKEI EXPRESS)