香港の大学ではこれに先立つ22日、1万3000人規模の授業ボイコットが始まり、台湾でも報道されていた。そのタイミングでの習氏の発言に、台湾の総統府は、直ちに「香港と台湾は全く違う。中華民国(台湾)は主権国家であり、一国二制度は受け入れられない」とする報道官談話を発表。野党、民主進歩党の報道官も「香港市民の境遇が、すでに一国二制度は空手形だと証明している」と反発した。
28日に始まった香港の金融街「セントラル(中環)」周辺の占拠が、夕方になり強制排除に発展すると、馬氏は29日、経済団体の会合で、敢えて香港情勢に言及。「香港市民の普通選挙への要求」に支持を表明するとともに、中国政府に「香港の民衆の声を聞き、平和的で慎重な態度で処理する」よう呼びかけ、間接的に強制排除を批判した。民進党も30日、海外メディア向け記者会見を開き、デモへの支持を表明した。
こうした台湾の「朝野の総意」(国民党立法委員)ともいえるデモへの支持表明は、習氏の一国二制度発言に触発された側面が否定できない。習氏は30日に開いた国慶節(建国記念日)前の祝賀会の演説で香港については「一国二制度を貫徹する」と強調したものの、台湾に関するくだりで再び言及することはなかった。