≪「落ちたプリンセス」 総裁レースに異変も≫
小渕前経済産業相が政治資金収支報告書をめぐる問題で辞任したことで、将来の自民党総裁レースに異変が起きそうだ。小渕氏がいずれ額賀(ぬかが)派(平成研究会)を継ぎ、小渕派へと衣替えするのは、永田町では衆目の一致するところ。派内で「小渕首相」の誕生を待ちわびている議員は少なくない。だが、今回の辞任劇で勢いがそがれたのは確か。「落ちたプリンセス」に対し、党内では同情と失望が交錯している。
「すべてが甘かった」
「経済再生、女性の輝く社会の実現などさまざまな課題に、何一つ貢献できなかったことを心からおわび申し上げます…」
20日午前の首相官邸。小渕氏は安倍晋三首相(60)に陳謝した。その後の経産省での記者会見では、涙が出るのをこらえながら「すべてが甘かった。ゼロから出直したい」と語り、無念の表情を浮かべた。