小渕氏は急死した小渕恵三元首相(1937~2000年)の後継として26歳で衆院初当選。麻生太郎内閣では少子化担当相に起用され、戦後最年少の34歳で初入閣を果たした。今年9月の内閣改造で再入閣し、順調に権力の階段を駆け上がっていた。
日ごろから全国を飛び回り、同僚議員の応援演説をこなす小渕氏の人気は党内でも高い。いつしか将来の総裁候補と目されるようになり、ある額賀派幹部は「あと十年も雑巾がけをすれば、派閥を率いて女性初の首相になる」。議員を引退してもなお額賀派に絶大な影響力をもつ青木幹雄元参院議員会長(80)は周囲に「小渕氏は大事にしないといけない」と漏らしていた。
そんな小渕氏だけに、額賀福志郎元財務相(70)は16日の額賀派総会で「何があっても支える」と強調。派内には「収支報告書の記載を正せば済む話だ」との楽観論が飛び交った。だが、ずさんな会計処理が次々と明らかになり、窮地に陥っていく。