失望と同情
「将来の首相候補として期待していたのに、ガッカリさせないでほしい」「まだまだ説明不足だ」…。
党内には失望感が広がった。
父親の小渕元首相は、中選挙区時代の旧群馬3区で福田赳夫(1905~95年)、中曽根康弘(96)両元首相に挟まれる形で「ビルの谷間のラーメン屋」と自らを評し、その庶民的なイメージから世論の好感を得ていた。それだけに、今回、2010、11年分の収支報告書で支持者向けの観劇会の収支が2642万円も食い違っていた事実は、父親のイメージとのギャップも印象づけた。
小渕氏は会見で「私自身が分からないことが多すぎる。なんでこうなっているのかという疑念をもっている」と語ったが、党内には「小渕氏は若いし、将来に備えるには早めに身を引いてよかった」(幹部)とかばう声は少なくない。
だが、閣僚を辞任したとはいえ、政治家としての説明責任はいまだ果たせていないのが現実だ。
第三者を入れて調査を続ける意向を表明した小渕氏だが、いばらの道が続きそうだ。(村上智博/SANKEI EXPRESS)