香港で続く大規模デモで、香港政府と学生代表との対話が21日夜、現地の教育施設で行われた。政府側がデモ隊側の主張を直接聞くのは9月28日のデモ開始以降、初めて。対話は大学校長会の会長が司会を務め、政府側から政府ナンバー2の林鄭月娥(キャリー・ラム)政務官(57)ら5人、学生側から大学生連合会(学連)の周永康事務局長(24)ら5人が出席した。対話はテレビで生中継された。
林鄭氏は冒頭、「学生の訴えは政府、中央(中国)双方の耳にはっきり届いている」と述べた上で、「大局」を考慮し、デモ参加者に退去を呼びかけるよう求めた。また、デモの原因となった2017年の行政長官選の改革案について、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が8月末に決定した改革方針が「永遠に適用されるわけではない」と述べ、一旦は受け入れ、将来の再改正を待つべきだと訴えた。
これに対し、学生側は、デモの解散には政府側の譲歩が必要だとした上で、改革案は立候補のハードルを上げるもので、民主化の方向に「逆行する」と主張。また、候補者を決める「指名委員会」の構成を職能団体別とせず、民主的な構成とするよう求めた。