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【世界自転車レース紀行】(20)中国 最後の「ツアー・オブ・北京」 (3/4ページ)

2014.10.27 17:45

山の尾根に万里の長城がそびえる北京郊外を行く選手たち=2014年10月12日、中国(田中苑子さん撮影)

山の尾根に万里の長城がそびえる北京郊外を行く選手たち=2014年10月12日、中国(田中苑子さん撮影)【拡大】

  • 北京のシンボルである天安門広場。第1回大会から必ず最終日のスタート地点としてコースに組み込まれた=2014年10月14日、中国・首都北京市(田中苑子さん撮影)
  • 毎年、最終ステージが開催された北京五輪のメーン会場「鳥の巣スタジアム」。観光客も足を止めてレース観戦を楽しんだ=2014年10月14日、中国・首都北京市(田中苑子さん撮影)
  • スタート地点で伝統舞踊を披露していた女性たちと記念撮影する選手たち。中国滞在を楽しむ選手が多かった=2013年10月13日、中国・首都北京市(田中苑子さん撮影)
  • 北京市郊外の小さな村を走り抜ける選手たち。住人たちがバス停に座って応援するのどかな光景が見られた=2013年10月14日、中国(田中苑子さん撮影)
  • 最終ステージを終えて、ポディウムガールと大会マスコットのパンダが表彰台で記念撮影する=2013年10月15日、中国・首都北京市(田中苑子さん撮影)
  • 中国・万里の長城
  • フリーランスカメラマン、田中苑子(そのこ)さん。1981年、千葉県生まれ。2005年に看護師から自転車専門誌の編集部に転職。08年からフリーランスカメラマンに転向し、現在はアジアの草レースからツール・ド・フランスまで、世界各国の色鮮やかな自転車レースを追っかけ中=2011年1月30日(本人提供)

 だが、中国では禁止薬物であるクレンブテロールが食肉家畜の肉質向上を目的に肥料に混ぜて使用されることがあり、その食肉を食べた場合、ドーピング検査で陽性が出てしまう。実際に昨年、ツアー・オブ・北京に参加した選手が、その直後の日本国内でのレースで優勝したものの、クレンブテロールの陽性反応が出たために優勝が剥奪された。のちに中国での食肉によるものと証明できたため、その選手は罰則を受けることはなかったが、大会の優勝は剥奪されたままとなった。

 こうしたことから、大会期間中は、選手たちは指定されたレストランでのみ食事が許され、リスクの高い赤身の肉は一切口にしなかった。

 そしてもう一つの大きな問題は、PM2.5による大気汚染。自転車ロードレースは公道を使って開催される競技で、ツアー・オブ・北京では1日約150キロ、約4時間にわたり選手たちは屋外で激しい運動をすることとなる。2008年の北京五輪の際は大々的な対策が取られたというが、それから年月を重ねるたびに、北京の空は再び深刻なスモッグに覆われるようになった。大会側もできるかぎり市街地を避けるようにしてコースを設定したが、ついに今年の第2ステージでは、ゴール地点が設置された北京郊外の延慶県における大気汚染の数値が非常に悪く、選手やチームからの抗議が殺到した。結局、当初のゴール地点よりも30キロほど手前に位置する山岳エリアにゴール地点が変更されることとなった。

 しかし、皮肉にもその変更が今年の大会をより面白いものにした。

フィリップ・ジルベールが優勝

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