登坂区間にゴール地点が設置されると選手たちの脚力に応じて、大きなタイム差が生まれ、各ステージの合計タイムで競われる総合順位が大きく変動することになる。第2ステージでは、急遽(きゅうきょ)ゴール地点が平地から山頂に変更されたため、登坂を得意とする元世界チャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)が優勝。ジルベールが第2ステージでのリードを守り切り、ツアー・オブ・北京、最後の優勝者となり、赤いリーダージャージに袖を通した。
現状で来年以降、ツアー・オブ・北京に代わるアジアの大会は予定されていない。日本人、中国人、マレーシア人と、徐々にアジアの選手たちがトップカテゴリーで活躍するようになっている昨今、新しいアジアのレースが生まれることを期待したい。(写真・文:フリーランスカメラマン 田中苑子(そのこ)/SANKEI EXPRESS)
■たなか・そのこ 1981年、千葉生まれ。2005年に看護師から自転車専門誌の編集部に転職。08年よりフリーランスカメラマンに転向し、現在はアジアの草レースからツール・ド・フランスまで、世界各国の色鮮やかな自転車レースを追っかけ中。