ホーイ。ホーイ。やがてあちこちから掛け声が響いてきた。夢中になると迷子になるから、お互いの居場所を確認しつつ実を集めるのだ。松の実拾いはできるだけ近くでいい場所を見つけられるかが鍵だ。川から離れるほど、集めた実を舟まで運ぶのに苦労する。だが近場から拾われていくので、どうしてもだんだん森の奥や山の斜面に入ることになり、拾えば拾うほど帰りは重労働になる。松ぼっくりを大きなナイロン袋に詰め込むと約25キロ。青年はこれを2つ…つまり50キロを背負子にくくり付ける。仲間に手を借りなければ立てない重さだ。若い頃からこんな仕事をこなしていれば、自然と足腰は鍛えられるだろう。
子供たちのグループについていくと、ひときわ人懐こいウォーバという少年がいた。見覚えがあると思ったら、8年前の最初の旅でアンナの家に遊びに来た時、写真に撮っていた子だった。ただいま14歳。僕に「袋をもってついてきて」とちゃっかり言って急斜面をするする登っては、抱えきれないほどの松の実を袋に押し込んでいく。それにしても皆よく働く。子供や年配のおばあさんは重荷は背負えなくても実は拾える。青年はそうして集まった重い袋を担ぎ、汗をかきつつ何度も斜面を往復している。ついてきた犬さえ、いつの間にかアナグマを捕っていて笑ってしまった。