僕も1袋担いで長い丸木橋を何とか渡り、集合場所へ着いた。そこへ体格のいい青年が2袋担いで足早に戻ってきた。彼もよく見れば最初の旅で出会っていた子ではないか。村の砂利道で釣竿をかつぐ姿にひかれシャッターを押した覚えがある。スラーバ20歳。あまりに大きくなって気づかなかった。やんちゃな眼差(まざ)しはそのままだ。まだかわいかった子供が、8年の間に、よく働き体力でもかなわない青年に変身していた。(写真・文:写真家 伊藤健次/SANKEI EXPRESS)
■いとう・けんじ 写真家。1968年生まれ。北海道在住。北の自然と土地の記憶をテーマに撮影を続ける。著書に「山わたる風」(柏艪舎)など。「アルペンガイド(1)北海道の山 大雪山・十勝連峰」(山と渓谷社)が好評発売中。
■ビキン川のタイガ ロシア沿海地方に広がる自然度の高い森。広葉樹と針葉樹がバランスよく混ざっており、絶滅に瀕したアムールトラをはじめ、多様な種類の野生動物が生息している。