この年齢になると、シーズン終了間際のニュースには寂しさがつきまとう。同年代の選手の引退ニュースが飛び込んでくるからだ。
9月12日。ロッテ時代にバッテリーを組んでいた里崎智也選手(38)がユニホームを脱ぐことを表明した。2005年に31年ぶりの日本一の歓喜をともに味わい、翌06年には第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表にともに選ばれ、「世界一」も経験した。間違いなく、マリーンズの一時代を築いた名キャッチャーだった。
今春に正式に現役を退くことを表明した私も6月28日に、ロッテの本拠地、千葉で引退セレモニーを催してもらった。
この少し前に球団関係者にあいさつ回りをする中で、2軍の練習施設がある浦和球場を訪れた。実はこのとき、左膝の故障で1軍から外れてリハビリ中のサトと会った。
午前の練習が終わった後、何となくかわしたあいさつから三塁側のベンチでの雑談は30分以上にもおよんだ。「けがの回復が遅い」「キャッチャーとして納得のいくプレーができない」。はがゆい心境を語ってくれた。