主人公は監督との分身
ある日、介護ヘルパーの山岸サワ(サクラ)は派遣先の家族からとんでもない相談を受ける。「冥土の土産におじいちゃんと寝てほしい」。その当日、サワはとある騒動に巻き込まれ、家も金も仕事も失い、ホームレスになってしまう。そこでサワは一計を案じる。道すがら、わけありの老人を見つけては介護を申し出る「押しかけヘルパー」になろう…。
映画のサワは、桃子監督とサクラを融合させた分身らしい。「姉が作ったキャラクターを私が体現しました。それこそ2人で作り上げたものだから、2人の分身と言えますね」。桃子監督はサクラ自身も思わず驚くほど表情豊かな顔を引き出してくれたそうで、サクラは「生まれてからずっと私を見てきて、私のことを熟知している姉だからこそ、あまり自分の感情を表に出さないサワを演出できたのかもしれません」と考えている。