≪伝統に培われた技を新しい発想に生かすと「ものづくり」の可能性が広がる≫
豊かな自然、美味しい食材が人々を魅了しやまない北海道。都会の人々に大いなる感動を与える大自然も、その土地で暮らす人々にとっては当たり前の日常となるのでしょう。そして、故郷を遠く離れて初めてその価値に気付くことも多いようです。
今回は地元で古くから親しまれる熊笹の効果を中心に、温泉やさまざまな特産品を通じて、新しい地域の魅力を形にして発信している坂井昭一さんを、北海道登別温泉に訪ねました。
湧出量1日1万トン。江戸時代に開湯し、今も「日本の温泉」人気ランキング上位に常にランクインする登別温泉。登別の語源はアイヌ語の「ヌブルベッ=白く濁った川・色の濃い川」、温泉街を流れるクリサンベツ川は「薬(温泉水)が流れ下る川」という意味から名付けられました。古くから川の色が変わるほど湯量が豊富であったことが偲(しの)ばれます。