坂井さんは大黒屋民芸店の3代目として、熊笹の効果を広めるための商品開発・販売に取り組む「北海道熊笹本舗」を立ち上げました。今でこそ「地域の豊かな素材、資源を多くの人と分かち合うことを目指す!」という大きな志があるけれど、大学進学を機に故郷を離れるまでは、自分の生まれ育った地域の特性に気付くこともなかったそうです。東京に出て驚いたのは、身体を縮めなければ入れないお風呂、ボーリングで掘削して出る温泉、孟宗竹と熊笹の筍の違い…。当たり前のように身近にあった自然、川に流れ出る熱い温泉、風味豊かな山の幸の味覚。外から見て初めて、どんなに恵まれた環境に育ったかを知ることになったのです。就職した食品会社でのノウハウは、札幌への転勤を経て、登別へUターンを決めた時に役立ちました。