日本の存在感薄く
ビジネスライクな合理性を重んじると考えがちな欧米企業も実際、中国が中心となり始めたアジアビジネスの先陣には、人脈を作りやすい中国系を重用している実態が見て取れる。中国本土の企業も欧米留学経験者を数多く出席させた。
一方で残念ながら、日本の存在感の薄さは否めなかった。講演を行ったのは証券大手と鉄鋼大手の首脳2人だけ。しかも、関係者によると、「壇上で日本語での講演が始まると、会場内にはため息が広がった」という。カンボジアやチリなどの出席者も英語で講演したため、違和感を覚えた参加者が多かったようだ。
CEOサミットで演説した習近平国家主席(61)は、「われわれには『アジア太平洋の夢』を地域のために作り上げる責任がある」と表明した。2年前の共産党大会で党総書記に就任した際に強調した「中国の夢」をAPECの場で、米州も含むアジア太平洋に広げてみせた格好だ。その経済の地下水脈を太平洋をまたいでつなぐのが、サミット参加者の大半を占めた広義の「中国人だ」と言いたげだ。
北京を軸とした「アジア太平洋の夢」がどのように回り始めるのか。そこに日本はどう関与していくべきか。戦略性が問われる。(北京 河崎真澄/SANKEI EXPRESS)