11月18日、台北市内で、中韓FTA(自由貿易協定)の影響について記者会見する台湾の杜紫軍経済部長=経産相、右=ら。「後発」だった韓国に先を越された危機感がにじんだ=2014年、台湾(田中靖人撮影)【拡大】
だが、中台の経済協議を加速し、韓国に追いつける見通しはない。王金平立法院長(73)=国会議長=は4月、議場を占拠した学生らに退去の条件として、「サービス貿易協定」の審議前に中台協議の監視法を成立させることを確約した。ただ、立法院では監視法案の審議すら始まっておらず、サービス貿易協定は審議入りの予測もできない状態だ。
「ゆでガエル」化に警鐘
馬英九総統(64)が香港の大規模デモに支持を表明したことなどで中台関係は冷却化しており、中国側に物品貿易協定交渉で大幅な譲歩を期待することもできない。そもそも中国側は、サービス貿易協定の批准前には物品貿易協定を締結しない方針とみられている。