11月18日、台北市内で、中韓FTA(自由貿易協定)の影響について記者会見する台湾の杜紫軍経済部長=経産相、右=ら。「後発」だった韓国に先を越された危機感がにじんだ=2014年、台湾(田中靖人撮影)【拡大】
台湾では29日投開票の統一地方選が終わると、16年の総統選に向けた「政治の季節」が始まり、与野党の対立が激化することが予想される。野党、民主進歩党はサービス貿易協定に反対しており、立法院での批准は容易ではない。馬総統は08年の就任以来、中国との経済関係の強化を政権浮揚策にしてきたが、対外的にも対内的にも手詰まりの様相を呈している。
馬総統は20日、与党、中国国民党の会合で、中韓FTAが発効した場合、台湾経済は「ゆでガエル」のように徐々に圧迫されていくと警鐘を鳴らした。その上で、民進党に対し「大陸(中国)市場を放棄したいのか」と訴え、サービス貿易協定の早期批准を求めた。(台北支局 田中靖人(たなか・やすと)/SANKEI EXPRESS)