道路はひび割れて波打ち、崩落した住宅の屋根が道路をふさいだ…。1998年の冬季五輪会場の一つでスキーの街としても知られる長野県白馬村。普段は穏やかな時が流れる街の様相を、地震の揺れは一変させた。建物被害は、196棟。変わり果てた街の姿に住民らは途方に暮れた。
山肌を雪が覆う北アルプスの麓にある白馬村の堀之内地区。地震発生から一夜明けた23日、集落に一歩足を踏み入れると、揺れの強さを示すかのように住宅が無残な姿をさらしていた。
1階部分が完全に押しつぶされた住宅が点在し、道路は粉々に割れた窓ガラスや土壁の破片であふれる。アスファルトも、あちこちに亀裂が入って波打ち、マンホールが10センチ以上浮き上がっているのも確認できた。電柱は傾き、一夜明けても電気が復旧しない世帯もみられた。
堀之内地区で暮らす柏原武幸さん(72)は就寝中に揺れが襲ってきたという。自宅は築200年。自慢の太い柱はこれまで、どんな地震にも耐えてきた。