「元気なうちにしっかり後継体制をつくりたい」と考えた杜氏はこの10月末に退任することを発表した。同時に、胡耀邦(こ・ようほう)元共産党総書記(1915~89年)の長男で同じ改革派の胡徳平氏(72)を後任に指名。党中央と太いパイプを持つ胡氏に期待を託した。しかし、胡氏は杜氏ほど当局に対抗する力がなかったようだ。
10月末に社長就任をいったん引き受けた胡氏は、その後、「まだ決まったわけではない」と周囲に語るなど、曖昧な態度を取るようになったという。共産党指導部から「社長になるな」と強い圧力がかかったとの情報もある。
編集部内でも対立
社長人事が宙に浮いた炎黄春秋では、今後の進むべき方向性をめぐっても、編集部内で激しい意見の対立が生じたという。炎黄春秋関係者によると、肖上将を失った中華炎黄文化研究会はすでに力がなくなり、杜氏も引退したことで、雑誌が遅くとも年内に文化省の管理下に入るという。楊継縄(よう・けいじょう)副社長ら一部の幹部は、当局の干渉が今後増えても粘り強く雑誌を続けるべきだと主張しているのに対し、「廃刊に追い込まれても信念を曲げるべきではない。華々しく散るべきだ」と主張する幹部も多い。溝は埋まらず、11月になって呉思編集長ら複数の幹部が辞表を編集部に提出した。