呉氏は著名な歴史学者でもあり、知識人の間で大きな影響力を持つ人物だ。1996年から炎黄春秋の編集部に入ってから、杜氏の後継者と目され、次期社長になるといわれていた。一連のごたごたに嫌気を指し「これからは学問に没頭したい」と周辺に語っているという。
11月4日に発売された炎黄春秋では、社長は杜氏のままになっている。杜氏ら主要幹部は今、胡氏に社長に就任するよう説得し続けると同時に、呉氏らの慰留にも努めているという。
内部事情をよく知る大学教授は、「編集部は今、大混乱しているが、どんな結果になっても当局の勝ちだ。発行し続けてもこれまでと同じ雑誌ではなくなってしまうからだ」と、寂しげに語った。(中国総局 矢板明夫(やいた・あきお)/SANKEI EXPRESS)