安定求める声も
大量議席にあぐらをかいた与党に鉄槌(てっつい)を下すように、有権者は野党を勝たせてきた。しかし、今回の衆院選は、そうした「振り子」が動く雰囲気はない。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査(11月22、23両日実施)では、今回の衆院選について、「与野党が伯仲する」結果を望む声が41.9%と多かったが、「与党が野党を上回る」結果も38.0%あり、現在の自公連立政権による安定した政治を求める声は少なくない。
さらに、民主党をはじめとする野党が、自公政権に代わる「受け皿」になる準備ができていないのも大きい。「非共産」勢力で選挙区調整を進めたものの、それぞれの党が「身を切る改革」(維新の党)、「自主憲法制定」(次世代の党)などと独自の主張を強めており、有権者に「結局は野合だ」と受け取られても仕方がない。
おごらず、ひたむきに
ただ、このまま14日の投開票まで「無風」が続く保証はない。与党の慢心が少しでも見えたら、野党に追い風が吹く可能性もある。首相周辺は「おごらず、ひたむきにやるだけだ」と語った。(SANKEI EXPRESS)