暴力的抗議望まず
暴動に発展したファーガソンとは異なり、ニューヨークでは人種間の融合が進んでおり、デモには白人の姿も多く見られた。それでも白人と黒人の“見えない壁”はなお高い。
黒人の女子学生、シエラ・ラムソーさん(19)は、車を運転中、大麻を吸引していると疑われ、白人警官に停車を命じられた経験があり、「白人警官は人種差別主義者だ。私はファーガソンの暴動にだって理解を示す。“騒音”を作り出さなければ、人種差別が残る米社会が目を覚まさない」と話した。
黒人運動指導者のシャープトン師は3日、黒人市民が警察官に殺害される事件の続発を受け、首都ワシントンで13日に抗議の行進をすることを呼びかけた。
一方で、死亡した被害者の遺族は暴力的な抗議を望んでいないとし、デモを暴動に発展させないよう訴えた。
実際、抗議デモは多くの市民が遺族への同情を示したものだ。死亡した男性の妻で、6人の子供や孫を持つイーソー・ガーナーさんは「誰が(子供たちの)サンタクロースになってくれるの?」と涙をにじませた。(SANKEI EXPRESS)