狂言師、野村萬斎(まんさい)さんと舞台演出を手がけたメディアアーティストの高谷史郎さんによるコラボレーションによって行われた「三番叟/エクリプス(日蝕)」=2014年12月3日、東京都江東区の東京都現代美術館(政川慎治さん撮影)【拡大】
伝統と最先端の出合い。身体パフォーマンスと現代アートの出合い。「古いは新しい、新しいは古い。伝統的なものも、人間が呼吸で新しい酸素を体内に入れるがごとく、活性化しなければならない。一方で、根源的な何かが問われるのがアートの世界」と萬斎さんは言う。実は萬斎さんは、今回の展覧会の総合アドバイザーでもある。なぜ、萬斎さんに白羽の矢が立ったのか-。
≪体感しよう 身体のふるまいが生み出すアート≫
ダンス、演劇、伝統芸能、スポーツ、武道、あるいは作法や所作といったものまで、「身体表現」は言葉を超えたコミュニケーションであり、私たちの身体の中に眠る記憶や感覚、感情などを呼び覚ますスイッチでもある。
「新たな系譜学をもとめて」展では、身体に残された記憶や知の痕跡が、時を超え新たな創造を生み出してきた系譜をたどる。現代アートと身体パフォーマンスが出会う企画展だ。
「萬斎さんの身体は600年以上の伝統を持つ能狂言の型を継承しながら、現代まで一気に跳躍し、さまざまな表現と交わって新しい創造の遺伝子をつくりだしている」と東京都現代美術館の長谷川祐子・チーフキュレーター。古典に軸足を置きつつ、時には能楽堂から飛び出したり、シェークスピア劇と融合させたり。萬斎さんはいわば、日本文化における身体パフォーマンスの「系譜」を体現している存在。