週末には大勢のファンでにぎわう香港のシャンティン(沙田)競馬場。香港では英国統治時代から競馬が盛んだが、法律上賭博が禁止されている中国でも、いよいよ競馬が解禁される日が近そうだ=2010年4月25日、中国・香港、九龍半島郊外の新界沙田区(ロイター)【拡大】
当初は中国の一部メディアが報じただけで、国民の関心度は低かった。ところが、中国共産党機関紙、人民日報(海外版)が、なぜか約1カ月遅れの10月16日にこのニュースを報じると、一気に注目が集まり、関連企業の株価が急騰するという現象まで引き起こした。
発足イベントでは主催団体として、中国国際経済交流センター、国務院(政府)参事室などが名を連ねた。宣伝資料には、中国馬業協会の高級顧問を務める胡耀邦(こ・ようほう)元総書記(1915~89年)の三男、胡徳華氏が「中国競馬会栄誉主席」と紹介されていたといい、さも政府公認の組織のような印象を与えたが…。
「三無」「違法」と批判
競馬解禁かと色めき立ったのもつかの間、国務院参事室は10月21日に「中国競馬会に関する活動には参加したことがない」との声明を発表。胡徳華氏も、栄誉主席への就任を否定した。「中国競馬会」は一転して、「合法的な登記」「彩票部門の支持」「合法的な公的ネットワーク組織」がない「三無組織」「違法組織」と批判されるようになった。