週末には大勢のファンでにぎわう香港のシャンティン(沙田)競馬場。香港では英国統治時代から競馬が盛んだが、法律上賭博が禁止されている中国でも、いよいよ競馬が解禁される日が近そうだ=2010年4月25日、中国・香港、九龍半島郊外の新界沙田区(ロイター)【拡大】
中国には現在、馬に関し、農業省が管轄する「中国馬業協会」と、国家体育総局が管轄する「中国馬術協会」の2つの組織が存在する。馬業関係者は中国紙、南方週末に対し、「2つの協会はともに、この件(競馬)を行いたいと思っているが、誰も成し遂げていない」と語っている。
実は、湖北省の省都、武漢市にある商業総合施設「東方馬城」には、国際基準を満たした競馬場がある。毎年、行っている武漢国際競馬祭は今年で12回目を数える。10月末に開催された今年の競馬祭には、武漢市民2万人が訪れたという。競馬同様、着順を予想するシステムはあるが、換金はできない。景品としてスマートフォンや自転車が渡され、「賭博行為」と見なされないよう、細心の注意が払われている。
一大ブームの可能性
胡徳華氏が南方週末に語ったところでは、「以前は馬券を誤解し、帝国主義、資本主義のものだと認識していた」という。過去二十数年の間、実験的に行われた競馬は、例外なく失敗に終わってきた。しかし、今回の“騒動”は、「競馬」の潜在能力を認め、その解禁を期待する中国国民が少なくないことを物語っている。