週末には大勢のファンでにぎわう香港のシャンティン(沙田)競馬場。香港では英国統治時代から競馬が盛んだが、法律上賭博が禁止されている中国でも、いよいよ競馬が解禁される日が近そうだ=2010年4月25日、中国・香港、九龍半島郊外の新界沙田区(ロイター)【拡大】
中国メディアの「華股財経」は11月末、「中国が馬券を発行することは、大勢の赴くところだ。政府の独占的なコントロールの下、経済と社会に巨大な効果と利益をもたらすことができる。時代の発展の需要であり、馬券の解禁はすでにその基礎ができている」と分析。政府主導で競馬産業を作り上げる道筋を提案している。
ギャンブルが禁止されている中国だが、政府公認の宝くじのほか、闇のサッカーくじなど賭博にはまる国民も少なくないとされる。競馬が解禁された場合、一大ブームが起こる可能性は高い。
「中国競馬会」が主張するように、収益が全て国の財政に組み込まれて慈善事業などに充てられるとすれば、国家にとっても、国民にとっても悪い話ではない。現在、既存団体などと“泥仕合”を演じている「中国競馬会」だが、競馬解禁という「中国の夢」に向け、一石を投じたことは間違いない。(中国総局 川越一(かわごえ・はじめ)/SANKEI EXPRESS)