高松次郎(1936~98年)の回顧展「高松次郎ミステリーズ」__「No273(影)」1969年(東京近代美術館蔵)。(C)The_Estate_of_Jiro_Takamatsu,Cortesy_of_Yumiko_Chiba_Associates【拡大】
70年代後半から高松は、トレードマークのサングラスを外した。96年には展覧会のカタログの中で「抽象絵画にもさまざまなタイプがあるわけで、画家各人が独自な絵画世界を発明発見しなければならないものです。そこでどんなことが表現されているのか、それが言い表せないような場合でも、見る人に感動があればいいのです」と記している。
コンセプトを冷徹に最重視してきたはずの高松が、見る者の感動を第一に挙げた。心境がどう変化したのか。それも謎の一つとして残し、高松は“不在”の世界に旅立った。(原圭介/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
■「高松次郎ミステリーズ」 来年3月1日まで、東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3の1)。一般900円。休館は月曜(ただし1月12日は開館)と12月28日~1月1日、1月13日。(電)03・5777・8600。