一方で、空き家にして放置するわけにもいかず、管理に困っているケースは少なくない。うまく生かせる方法はないだろうか。長谷の邸宅の所有者は、古民家の有効活用などに取り組むNPO法人Takara鎌倉の島津克代子代表らと相談し、新たな可能性を探ることになった。
「両親が愛し、慈しみ、手を入れた建物と庭が、荒れて朽ち果てていくのは残念です。自分で利用できないのなら地域の宝物として生かしていきたい」
再び住むようになるまで庭も家も生きている状態で維持していたい。そのためにはどうしたらいいか。
そんな希望から生まれた構想だ。具体的には来年春から鎌倉に住む芸術家の作品発表の場や鎌倉文化の体験会、結婚式の会場などに活用しつつ、維持費の確保を目指す。
勤労感謝の日にはそのプレイベントとして公開し、訪れた人たちに昼食を提供した。「地元の人にうまく使ってもらい、そのことで都会の人たちが鎌倉に来て豊かな町だなと思ってもらえればうれしい」とオーナーの女性は語る。