自民、公明両党は30日、2015年度税制改正大綱を決定した。人口減少を克服し経済を再生するため、子育て世代と企業に重点を置く減税策を柱とした。結婚や育児、住宅費用の贈与を非課税にし、若年層の消費を促す。法人税を先行減税する一方で企業には賃上げを要請し、アベノミクスの加速を鮮明にした。
自民党税制調査会の野田毅(たけし)会長は大綱決定後の記者会見で、食料品などの消費税率を低く抑える軽減税率に関し15年秋までの制度案決定を目指すと表明した。政府、与党で委員会を設置し、1月下旬をめどに対象品目などの検討を再開する。
法人税の実効税率は15年度からの2年間で現在より3.29%下げて31.33%(標準税率)とし、財源は3年かけて確保する。先行減税は2年で4000億円超となり、安倍政権が決めた消費税の再増税延期と合わせ財政再建は後回しにされる。減税の直接的な恩恵は黒字の大企業などに限られ、経済が好循環に向かうかどうかは見通せない。