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【ヤン・ヨンヒの一人映画祭】触れ合い互いに成長する医師と患者 (3/4ページ)

2015.1.16 13:30

【かざすンAR(視聴無料)】映画「ジミーとジョルジュ_心の欠片(かけら)を探して」(アルノー・デプレシャン監督)。公開中(コピアポ・フィルム提供)。(C)2013_Why_Not_Productions-France_2_Cinema-Orange_Studio

【かざすンAR(視聴無料)】映画「ジミーとジョルジュ_心の欠片(かけら)を探して」(アルノー・デプレシャン監督)。公開中(コピアポ・フィルム提供)。(C)2013_Why_Not_Productions-France_2_Cinema-Orange_Studio【拡大】

  • ヤン・ヨンヒ(梁英姫)監督(ワハハ本舗提供)

 私にとって忘れられないシーンは「名前」にまつわる場面だ。軍病院に入院後、医師たちがジミーを診察するが病因が分からない。苛立(いらだ)ち始める医師たちはジミーを「酋長(しゅうちょう)」と呼んだり「沖縄戦帰りのインディアン」と呼んだりしながら珍獣のようにジミーを扱う。ニューヨークから駆けつけたジョルジュは、診察の初日に「君のインディアン・ネームを教えてほしい」と語りかける。「オホニタ・エ・プヨ・ペ」と答えるジミーに、ジョルジュはその名の意味を聞く。「噂(うわさ)の男」という意味の名前を持ったジミーが育った部族、宗教、家族構成、生い立ち、トラウマを丁寧に掘り下げて聞く。

 人間を凝視する監督

 愛情の表現のように溢(あふ)れ出る好奇心の根底には「彼の存在そのもの」への敬意があった。そんなジョルジュはジミーに対する社会システムの差別には全身全霊で怒りをあらわにした。やがて別人のように健康な体と自信を取り戻したジミーとジョルジュの別れの日が来る。ジョルジュは「友よ、自分の本名を忘れるな。自ら安らぐ者は相手とも安らげる」とジミーに伝え去る…。

人間を凝視する監督

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