洪鐘は高さが259.5センチ。時宗の嫡男で第9代執権の貞時が正安3(1301)年、国家安泰を祈願し寄進している。
谷戸の中腹にある洪鐘まで100段を超える石段を上がり、新しい年の訪れをじっと待つ。午後11時55分から、円覚寺管長の横田南嶺老師が1回ずつ祈りを込め、ゆっくりと3つ。さらに傍らの弁天堂で読経をしてから、次々にお坊さんたちが国宝の洪鐘を突いていった。
≪雪のち希望へ…≫
年の瀬から新年にかけては、宗教行事が日々の暮らしに最も近づく時期でもある。鎌倉市長谷の長谷寺では納めの観音の12月18日、御足参りが行われた。
1年に1度だけお参りに訪れた人たちが観音堂の内陣まで入ることが許され、本尊の十一面観音菩薩像の御足に直接、触れることができる。木造では日本最大級という長谷観音の高さは9.18メートル。その足元には、正午から夜の8時まで参拝客の列が途切れることなく続いた。