約10隻の漁船が順々にお菓子やミカンをまき、小さな群衆もそれにつれて東から西へと砂浜を移動していく。子供たちには懐かしい新春の思い出になる。
沖にはもう初サーフィンを楽しむサーファーたちが海に入っていた。風邪をひかないようにしてください…おっと、砂浜で見ているこっちの方が危ないか。
4日には、江ノ島に近い腰越海岸でも、同様の行事が行われた。こちらは「船祝い」と呼ばれている。
JR鎌倉駅に近い本覚寺には、鎌倉七福神のうち恵比寿様をまつる夷堂(えびすどう)がある。商売繁盛の神様。正月三が日の「初えびす」と10日の「本えびす」は福ざさを求める人でにぎわった。
「商売繁盛、家内安全、お祈り申しあげま~す」
福娘たちの声が華やかに響くと、すかさず太鼓がドドン、ド~ンと景気を付ける。雪で明けたこれからの1年、アベノミクスはどうなるのか。期待と不安が入り交じる船出ではあるけれど、ここはひとつ、明るくこぎ出しましょう。(文:編集委員 宮田一雄/撮影:写真報道局 渡辺照明/SANKEI EXPRESS)