暖炉には火がたかれ、薪がはぜる音が聞こえた。暗めのロビーには、クリスマスツリーなどの飾り付けがしてあり、心地よい。客室係の女性が「シラカバ」の間に案内してくれた。桜色が基調の壁には、植物の絵が描かれ、何ともしゃれたデザイン。朽ち果てた印象の外観とは正反対の暖かさだ。支配人からの手書きのウエルカムレターも置かれていた。
夕食前にロビーに降りていくと、「ミスター・ナイトー」と名前で呼ばれ、暖炉のそばのソファに通されて食前酒とおつまみを振る舞われた。まるで王侯貴族の家に遊びにきたVIPのような扱いだ。
隣のソファに座っていた地元の壮年カップルは「ここの料理が素晴らしいと聞いてきた」と話していた。若い英国人シェフの創作料理は実際、伝統的な英国料理とはまったく別物の衝撃的なおいしさだった。