「理想の庭園」づくり
翌朝、庭園を散策した。空は珍しく晴れ上がり、冷え込んだ庭園には、霜が降りて落ち葉が白く化粧をしていた。庭は静かに冬眠していた。
16世紀末に建設されたグレイブタイ・マナーは、密輸商人たちの隠れ家や倉庫になったことも。だが、自然を生かした庭園づくりを提唱し、ガーデニングを世界に流行させた英国の造園家ウィリアム・ロビンソン(1838~1935年)が1884年にマナーを買い取り、転機が訪れた。
「美しさが見えなくなることは決してない」「自然界がやることには、必ず何かの意味がある」-。そう主張するロビンソンは自然の景観を生かした「理想の庭園」づくりを自分のマナーハウスで実践した。その伝統は今も健在だという。
「春になると、庭も室内も花でいっぱいになって、それはそれは美しいですよ。南斜面にある“キッチンガーデン”はご覧になりましたか。ここもロビンソンの設計で、冬でもキウイが収穫できるんです」
支配人のアンドリュー・トマソン氏(60)はこう話し、さらに、「サセックスはまだ観光化されていない。ロンドンに近いのに観光の手垢がついていないところが魅力です」と付け加えた。もう一度、今度は、春に訪れたくなった。