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【日本遊行-美の逍遥】其の十六(中川木工芸 比良工房・滋賀県) 個性豊かな木桶 ともに生きる (3/5ページ)

2015.1.27 15:00

板一枚一枚の微妙な曲線が、円形の桶を形づくる=2014年10月20日(井浦新さん撮影)

板一枚一枚の微妙な曲線が、円形の桶を形づくる=2014年10月20日(井浦新さん撮影)【拡大】

  • 刃が湾曲した銑(せん)という道具を両手で握り、桶の外側を削る。銑は奈良時代から使われている古い道具だ=2014年10月20日(井浦新さん撮影)
  • 割り目を整え、繊維を傷つけないように、お腹に挟み込んで、力をかけながら削っていく=2014年10月20日(井浦新さん撮影)
  • ぐい呑み、一合樽、ピッチャーなど、上品で洗練された形=2014年10月20日(井浦新さん撮影)
  • 俳優・クリエイター、京都国立博物館文化大使、井浦新(いうら・あらた)さん(本人提供)

 中川氏の作品は、現代的なデザインとして欧米でも人気だと聞く。2010年に、シャンパンメーカーのドン・ペリニヨンの公式クーラーに選ばれた木の葉型のシャンパンクーラーは、いままでにないようなシャープな形だ。シャンパングラスにしても、美しいカーブ、持った瞬間の心地よさ、すっとした口当たりが素晴らしい。この「用」と「美」と「技」が結実した形は、どのように生まれているのだろうか。

 手仕事の未来に大切なのは、大事なものを見極めることだという。以前は、どこの家庭にもお櫃があった。しかし生活の変化から、お櫃を使う人は国民の1%以下に減った。お櫃そのものに固執するのではなく、お櫃を使う精神、それをつくる技術、素材を大切にする心、そういった「哲学」が大切で、それが宿るものは、時代時代で形が変わる。その「哲学」を引き継ごうとしたのが、氷を入れても外側に水滴がつかず、氷自体も溶けにくい、シャンパンクーラーだった。

かつて京都に250軒あった桶職人も数軒に

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