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【日本遊行-美の逍遥】其の十六(中川木工芸 比良工房・滋賀県) 個性豊かな木桶 ともに生きる (5/5ページ)

2015.1.27 15:00

板一枚一枚の微妙な曲線が、円形の桶を形づくる=2014年10月20日(井浦新さん撮影)

板一枚一枚の微妙な曲線が、円形の桶を形づくる=2014年10月20日(井浦新さん撮影)【拡大】

  • 刃が湾曲した銑(せん)という道具を両手で握り、桶の外側を削る。銑は奈良時代から使われている古い道具だ=2014年10月20日(井浦新さん撮影)
  • 割り目を整え、繊維を傷つけないように、お腹に挟み込んで、力をかけながら削っていく=2014年10月20日(井浦新さん撮影)
  • ぐい呑み、一合樽、ピッチャーなど、上品で洗練された形=2014年10月20日(井浦新さん撮影)
  • 俳優・クリエイター、京都国立博物館文化大使、井浦新(いうら・あらた)さん(本人提供)

 中川氏が大事にしているものに、言葉にならない言葉がある。職人の勘や経験、素材とのコミュニケーションを通して、対話しながら手にできる言葉。その言葉は、職人がいなくなることによって途絶えてしまう。それを次の世代に引き継ぎたい。素材の特徴に寄り添い、まるで木と対話しているような手仕事のあり方に、中川氏の未来への確かな志向が重なり、工房は若い人たちの声と、すがすがしい空気に包まれていた。(写真・文:俳優・クリエイター、京都国立博物館文化大使 井浦新(いうら・あらた)/SANKEI EXPRESS

 ■いうら・あらた 1974年、東京都生まれ。代表作に第65回カンヌ国際映画祭招待作品「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(若松孝二監督)など。ヤン・ヨンヒ監督の「かぞくのくに」では第55回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。

 2012年12月、箱根彫刻の森美術館にて写真展「井浦新 空は暁、黄昏れ展ー太陽と月のはざまでー」を開催するなど多彩な才能を発揮。NHK「日曜美術館」の司会を担当。13年4月からは京都国立博物館文化大使に就任した。一般社団法人匠文化機構を立ち上げるなど、日本の伝統文化を伝える活動を行っている。

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