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イスラム国の狡猾な情報戦略 渡辺武達 (4/4ページ)

2015.2.4 09:30

「後藤さん殺害か」と伝えるニュースを映し出す街頭の大型テレビモニター=2015年2月1日、東京都内(ロイター)

「後藤さん殺害か」と伝えるニュースを映し出す街頭の大型テレビモニター=2015年2月1日、東京都内(ロイター)【拡大】

  • ジャーナリスト、後藤健二さん_シリアでの足取り=2014年7月28日~10月25日
  • イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の支配地=2015年2月2日現在

 事件に対する反応は、海外でも同じである。筆者は2日の夜、中国中央テレビ(CCTV)の国際英語チャンネル番組「World Insight(世界洞察)」からの要請で、後藤さん殺害事件がもたらす日本社会の動向について、中国の国際問題専門家と衛星中継で議論した。そこでも冒頭で司会者が日本への哀悼の意を表し、専門家も同様であった。中国でも、「イスラム国」に戦闘員として参加している者が少なからずいるという国内的現実がある。

 情報技術の進化が進み、誰もがそれを利用できるなかで、国家の安全保障を叫ぶだけでは、解決作は見いだせない。中東だけでも1000万人以上と推計される戦争難民がおり、その増加が「イスラム国」問題の根本にあることを認識しなければ、テロリズムを根絶させることは困難であろう。ネットも一般メディアも現実の一面だけを切り取り、国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子氏が言う「人間の安全保障」を置き去りにしたままでは、社会的安全の保障もまた難しい。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS

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