別の不動産業者への転売が決まった在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部ビル(中央)=2014年11月5日、東京都千代田区(蔵賢斗撮影)【拡大】
菅義偉(すが・よしひで)官房長官(66)は1月23日の記者会見で、こうした疑念を払拭するかのように本部ビルをめぐる動きについて「裁判所による競売手続きを経て、マルナカホールディングスに移転した。後は民間のことだから、それ以降について政府として承知していない」と関与を否定した。外務省や情報機関関係者も異口同音に否定している。
政府が関与否定に躍起になるのには理由がある。競売は、破綻処理で多額の公的資金が投じられた在日朝鮮人系信用組合の不良債権問題に絡み、朝鮮総連への約627億円の債権を引き継いだ整理回収機構が申し立てたもの。仮に政府が建物の継続使用に向け朝鮮総連側に何らかの便宜を図っていたとすれば、無駄な税金投入だったとの批判を招きかねない。
民主党の野田佳彦政権は拉致問題解決に向けた日朝協議を進めるため、本部ビルの競売回避をめぐって朝鮮総連と秘密裏に協議していた経緯がある。ただ、こうした動きは政権交代のためいったん白紙に戻っていた。