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風神のごとく飛蝶のごとく書き分けた空海 空海の絶妙な楷・行・草・篆・隷・飛白 松岡正剛 (3/5ページ)

2015.2.9 17:40

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

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 【KEY BOOK】書道芸術第12巻「空海」(中央公論社、2700円、在庫なし)

 最もオーソドックスな空海書の図版集。司馬遼太郎が簡潔な書人伝記を、春名好重が作品解説を書いている。しかしこうした解説に頼るより、空海の書は一字ずつを食いいるように見るべきだ。最初は王羲之に学んだであろう正統書法を見たほうがいいが、それが見えてくればやはり転筆や破筆がどのようにおこっているのかを見つめたい。その絶妙をできれば臨模して驚きたい。

 【KEY BOOK】「書聖空海」(中田勇次郎著/法蔵館、1944円、在庫なし)

 やっぱり中田センセイの書道論はどこかで通過しておいたほうがいい。男の背広のようなものなのだ。抑制のきいた解説ではあるが滋味がある。空海の書はまさに自由闊達である。風になったり鳥になったり蝶になったりする。けれどもそれは絵ではなく、書なのである。では書がどうして鳥獣や花鳥風月になりうるのか。そのプロセスにこそ空海の宇宙観が書に舞い降りる秘密がある。

書人空海を物語に

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