【KEY BOOK】「空海の夢」(松岡正剛著/春秋社、2160円)
書人空海の思想との関連を突っ込んだ本がほとんどないので、おこがましいことながら、あえてぼくの著書を挙げておく。佐伯真魚というコトダマ一族に育った空海がどのような生命観と東洋観をもって、書道を呼吸・言葉・文字を一貫させた「生きた書」と掴まえたのかを浮上させてみた。カリグラファー空海、マントラアーティスト空海として、その才能が縦横無尽にほとばしった理由を推理してある。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。80年代、編集工学を提唱。以降、情報文化と情報技術をつなぐ研究開発プロジェクトをリードする一方、日本文化研究の第一人者として私塾を多数開催。おもな著書に『松岡正剛千夜千冊(全7巻)』ほか多数。「松岡正剛千夜千冊」(http://1000ya.isis.ne.jp/)