社会の底辺でもがく
ロンドンを拠点にイスラム過激思想を喧伝(けんでん)する英国人説教師、チョードリー容疑者は産経新聞とのインタビューで「欧米の偽善や矛盾を明らかにするイスラム思想は国境を越えて世界に広まっており、もう誰も止めることはできない」と述べていた。
イスラム圏を含む外国からの多くの移民を受け入れてきた欧州社会の底辺でもがき、過激思想に染まる若者たちは少なくない。こうした〝テロリスト予備軍〟への対処が重要だと専門家らは指摘する。
過激派の再教育に取り組む民間団体、クイリアム財団(本部ロンドン)の専門家たちは「社会で疎外感を覚え、過激化した若者がテロリストになるのは難しくはない。若者を過激化させない仕組みを時間をかけても、欧州社会でつくっていかないと、テロは収まらない」と警告している。(ロンドン 内藤泰朗/SANKEI EXPRESS)