こうした残虐行為について報じるメディアの役割について、イラク戦の際、バグダッドに最後まで残って空爆映像を送り続けた米ジャーナリストのピーター・アーネット氏(79)は「戦禍で誰かが苦しんでいるときその背後でほくそ笑んでいる者がいる。それを報じるのがジャーナリズムの責任でもある」(拙著『メディアリテラシーとデモクラシー』参照)と指摘している。
表層的には配慮欠く授業
そうした中で今月3日、名古屋市立小学校の5年生の授業で、担任教諭がISに殺害されたとされる湯川さんと後藤さんの遺体画像を児童36人に見せていたことが名古屋市教委の発表で分かった。「情報を生かす私たち」をテーマにした社会科の授業で、教諭は事前に「見たくない人は見なくていい」と説明したという。地元新聞の報道によると、小学校の近くの住民からは「小さい子供がいるが、将来、そんな学校に入学させるのは不安」と疑問視する声が上がっているという。